昼間は多くの人で賑わう寺町京極商店街。若者からお年寄りまで様々な人たちが行き交う賑やかな通り。
そんな商店街の一角に【矢田寺(やたでら)】という、少しこじんまりとしたお寺があります。
こじんまりとは言うものの、実は内容はかなり濃いお寺なんです。
この記事では
・矢田寺への行き方と所要時間
・先祖の魂を矢田寺の送り鐘で送りとどける不思議な儀式
・地獄の炎の中で人々を救う一人の僧侶
などを紹介しています。
もし近々、矢田寺に行くかもしれないという人はぜひ参考にしていただければと思います!
矢田寺への行き方と所要時間
京都駅から矢田寺へのアクセスを、バス、電車、タクシーの交通機関3パターンで紹介します。
■バスを利用する場合(約20〜30分)
ルート: 京都駅前バス乗り場(A2乗り場)から、京都市バス 4号・17号・205号系統 に乗車 ⇒ 「河原町三条」 バス停で下車
徒歩: バス停から西へ進み、寺町通に入ってすぐ(徒歩約3分)
■地下鉄を利用する場合(約20〜25分)
ルート: 京都駅(京都市営地下鉄烏丸線・国際会館行) ⇒ 「烏丸御池駅」で地下鉄東西線(六地蔵行またはびわ湖浜大津行)に乗り換え ⇒ 「京都市役所前駅」 下車
徒歩: 「京都市役所前駅」から寺町通を南へ徒歩約5分
■タクシーを利用する場合(約15分)
所要時間: 約15分(交通状況によります)
料金目安: タクシーの場合、1,500円〜2,000円程度
【矢田寺を見学する所要時間】
矢田寺の境内は広くないため
約5分~10分
ほどで見学することができます。
| ■住所:京都市中京区寺町通三条上る天性寺前町523 ■拝観料:無料 ■定休日:無休 ■営業時間:8:00 ~ 19:00(※行事により変動あり) ■駐車場∶なし。近隣に京都市営御池地下駐車場があります ■電話番号∶075-241-3608 ■ホームページ:公式HP 無し |
矢田寺は秀吉によりこの場所へ移動してきた?

創建は大変古く平安時代の初めごろ。
もとは五条坊門(仏光寺)付近に建立したといわれており、戦の戦火などにより転々と移動を重ねたようです。
その後、豊臣時代の京都改造事業により、今の場所に落ち着いたようです。
先祖の魂を矢田寺の送り鐘で送りとどける不思議な儀式

矢田寺のお寺の存在は知っているものの、ご先祖様を冥界へと送る鐘がこのお寺にあるということを、どれだけの人が知っているのでしょうが?
書くいう私も矢田寺の存在は知っていましたが、いつもお寺の前を通るたび、横目に見ながら素通りしていた一人です。
そんなあるとき
『矢田寺の鐘は冥土へと導く送り鐘……?』
というのを知り、その意味を確かめたくて矢田寺へ行きました。
六道珍皇寺の向い鐘と矢田寺の送り鐘
境内はとてもこじんまりとしています。
両サイドには沢山の赤い提灯。
これだけを見ていると、まるでお祭りのようで思わずわくわくしてきます。

さて矢田寺の
【送り鐘】とはどういうものなのでしょう?
矢田寺にある鐘を鳴らすと、お盆に現世に帰って来られたご先祖様を、再びあの世へと送り返すことができるといわれています。
そんなすごい鐘が商店街の雑踏の中に
あったなんて…

そして逆に、送り返す鐘に対して呼び戻す鐘もまたあるんですね。
それが六道珍皇寺の【迎い鐘】です。
お盆の頃、京都東山にある六道珍皇寺において、ご先祖様の魂があの世から迷わず家族のもとへ帰って来られるように六道珍皇寺の【迎い鐘】を鳴らします。
そして、お盆の最終日8月16日は、ご先祖様が無事にあの世へ帰られるよう【送り鐘】をつくという一連の流が有るようです。
さらに、8月16日といえば京都では【五山送り火】が行われます。
無数の魂が送り火とともにあの世へと帰って行かれるといわれております。
送り火そのものは、再び冥府(冥府・死後の世界)に帰る精霊を送るという意味をもつ盆行事の一形態で、この行事が一般に広く行われるようになったのは、仏教が庶民の間に深く浸透した中世-室町時代以降であるといわれています。
【引用先】:五山送り火特集|KBS京都
ところで『六道珍皇寺の迎い鐘、矢田寺の送り鐘は鳴らした人や家族にしか効果がないのかな?』
と、いきなり嫁さんが素朴な疑問を。
私の考えなのですが、ご先祖様や子供や水子が
『迷わずお家に戻ってきてほしい』
『迷わずあの世へ帰ってほしい』
と、関係が深ければ深いほど故人への思いが大きいかと思います。
なので、故人に対する思いが【鐘】という儀式をもって、その願いを叶えようとしているのではないかと私は思っています。
矢田寺のぬいぐるみ地蔵

水子地蔵と寄り添うように並ぶ
可愛いらしい【ぬいぐるみ地蔵】
手作りでつくられたお地蔵さまの中にはお札が入っていて、安産祈願や無病息災などの御利益があるそうです。

提灯とお地蔵さんと沢山の絵馬
地獄の炎の中で人々を救う一人の僧侶

他のお寺ではあまり見かけることのない地獄の絵馬。凄くインパクトとのある絵馬です。
次から次へと上から釜に向け落ちてくる沢山の人。
煮えたぎる釜の中に、人間を投げ入れようとする青鬼。
槍のような物で人を突き刺し釜へ入れようとしている緑鬼。
まさに目を背けたくなるような地獄絵図です。
しかしよく見ると右端で、煮えたぎる釜から人を救い上げる一人の僧侶がいます。
これは一体どういうことでしょうか?
実は矢田寺には送り鐘とは別にもう1つ有名な伝記があります。
それが、ここのご本尊である地蔵菩薩(代受苦地蔵)のお話になります。
閻魔大王といえば、死者の魂を天国に行くか地獄に行くかを決める裁判官。
平安時代、この閻魔大王は矢田寺の住職だった満米(まんまい 満慶とも)上人から菩薩戒(ぼさつかい:菩薩が受持する戒)を受けました。
その時、上人は閻魔大王に「地獄を見せてください」と頼みます。
上人が閻魔大王から地獄を見せてもらった際、炎が煮えたぎる鉄釜の中に一人の僧侶がいることに気がつきます。
よく見ると、僧侶は鉄釜の中にいる人を助けているのです。もちろん、鉄釜に入っている人間は現世で罪を犯した罪人です。
その姿に感銘を受けた上人は、その僧侶の姿を仏像に刻み、ここに安置したといわれているのです。
【引用先】わかさ生活
『悪いことをすれば地獄に落ちる』
幼いとき幾度となく聞かされた教えですよね。
ですが、悪いことをしたとしても罪を認め、または現世で良い行いをした者に対しては、絵馬にあるお地蔵さんのように、慈悲深く救い上げてくれるという教えのようにも見えます。
お盆の時期、帰省や旅行などで京都へ訪れる方もおられるかと思います。
もし、矢田寺の前を通る機会があれば、一度ご先祖様や故人の事を思いながら、立ち寄ってほしいお寺だと思いました。
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