宇治市には二つの世界遺産があります。
それは宇治平等院と宇治上神社。
10円玉のデザインでお馴染みの平等院は、いつも観光客で賑わっており、その反面宇治上神社は観光客は少なく静かなイメージがあります。
宇治平等院は煌やかな世界に対して、宇治上神社は侘び寂びの世界。
と個人的には思います。
冒頭にも書きましたが、世界遺産に認定されている宇治上神社。にもかかわらず、どういうわけか見学に行かない人がちらほらとおられます。
折角、宇治に来たのだから宇治上神社を見て帰らないのは実に勿体ないです。
そんなわけで今回この記事では
「え!? 宇治にそんな凄い神社があったの? 見忘れた!」
という方から
「近々、宇治旅行の予定。なのでチェック中」
という方は必見です!
宇治上神社へのアクセス・行き方
【宇治上神社へのアクセス・行き方】
■京阪電車の場合:宇治駅から出て真っ直ぐ進む。
途中、さわらびの道の分岐点に出てくるので左へ。
道なり進むと到着します。駅から歩いて徒歩10分。
■JR宇治駅の場合:駅を出て左へ進みます。
宇治橋を渡るとすぐに信号がありますので、そちらを右へ渡ります。
途中、さわらびの道の分岐点に出てくるので左へ。
道なり進むと到着します。歩いて20分。
■車の場合:京滋バイパス・宇治東ICで降りて車で約5分。
| ■住所:京都府宇治市宇治山田59 ■拝観料:なし ■定休日:なし ■参拝時間:9:00~16:30 ■電話番号:0774-21-4634 ■駐車場:有り ■ホームページ:宇治上神社 公式 |
宇治上神社をめぐってみた感想や見所

橋寺から源氏物語ミュージアムへと続く【さわらびの道】の道すがら、朱色の鳥居が見え
その奥に宇治上神社があります
鳥居をくぐると宇治上神社の門が見えてきました
門を構えた神社というのは珍しい気がします
というのも神社という所は
一日中開かれており、いつでもお参りが出来るというイメージがあるからです
この独特の雰囲気を醸しだす門
文化財保護の為に守られているのは明らかなのですが
しかし、何かこう結界的な役割を果たしている側面があるのでは?
と思わせる重みがこの門から伝わってきます
前回ここへやって来たときは門は閉ざされており、門前払いにあいました
『まだ、来るべきときではない!』
と言われたがごとく······
でも、今回はお許しが頂けたようなのでなによりです(笑)
ではさっそく石造りの橋を渡り、なかへ入ってみましょう

門をくぐると突如表れる拝殿
心の準備もなく、いきなり目の前に飛び込んでくる世界(建物)!
茶色の檜皮葺きの屋根は
スッーと翼を広げたように見えたいへん美しい
寝殿造であるこの建物は
(※寝殿造:位の高い貴族が住むとされる住宅の様式)
鎌倉時代に建てられたもので国宝に指定されているという

拝殿前に盛られた盛砂
この盛砂、一見すると他の神社で見かける依代
のようにも見えますが
実はこれ、氏子が奉納するお供えもので【清め砂】と呼ぶそうです



拝殿から右回りに行くと小さい建物が見えてきました

近づいてみると桐原水と書かれた石碑が建っています

この建物は宇治上神社の手水舎となっているのですが、一目に手水舎だと理解する人がどれだけいるのでしょうかね?

写真では石ころが転がっているだけのように見えますが
実はこれ水を通して石ころが見えているんです( ; ゜Д゜)
この美しい澄んだ水は
桐原水とよばれる宇治七名水の一つで
現存する湧水としては唯一ここだけだといいます
写真では水がないように見えますが
こんこんと湧き出す透明な水は
少し手を浸してみると
『冷たっ!!』
夏の暑さから到底想像の出来ない
冷たさに、驚ろいてしまうほど
(※撮影の日は夏です)
茶の湯として用いられた今は無き六水
泉殿・百夜月井・公文水・高浄水・阿弥陀水・法華水
せめて美しい桐原水だけは永遠に残しておきたいものですね
ところで名水である桐原水は
一見するとそのまま飲めそうな気もしますが
できるだけ、煮沸してから飲用したほうがいいとのこと

桐原水からさらに進むと
前面が全て格子で塞がれたこの不思議な建物は
国宝の本殿

拝殿と並ぶようにして建っている本殿は
拝殿との間隔(6~8mくらいかな?)が狭いため
正面から写真をとると
このようにフレームからはみ出てしまいます(笑)

平安後期に建てられた本殿は
現存する神社建築としては最古のものであるという
気の遠くなるような時代を経て
こうして私達の前に存在している
なんだかとても不思議ですよね

【正一位離宮太神】と書かれた扁額
(※太神と記述していますが、大を太と書くことも有るようです)
創建年代などの起源は明らかではない。
当社のすぐ近くには宇治神社があるが
当社とは二社一体の存在であった当社の境内は『山城国風土記』に見える菟道稚郎子の離宮「桐原日桁宮」の旧跡であると伝え
両社旧称の「離宮明神」もそれに因むといわれる。
もともとこの辺りに応神天皇の離宮があり
そこに菟道稚郎が住んでいたことから
宇治離宮明神と呼ばれるようになったようです

こちらは本殿の中にある本殿
実は先ほど見た本殿は正式には覆屋(おおいや)といわれる建物で
内殿を守るいわばカバー的な役割を果たしているといいます
特に注目していただきたい点として
内殿と覆屋は構造的に一体化しており
左殿と右殿の側廻りや屋根部分は覆屋と共通になっている。ーWikipedia引用
格子の穴から見ることが出来ますので
失礼が無いようにぜひ見学してみてください
内殿には三社あります
中央が応神天皇
左側は仁徳天皇
右側は菟道稚郎子(うじのわきいらつこ)
が祀られています

こちらは先ほど見た拝殿

寝殿造りである拝殿
こうして見ると、人が住む建物だとなんとなく理解できます

社務所で売られていた【うさぎのおみくじ】
白やピンクなど色々ありかわいい
ところで菟道稚郎子の【菟道(うじ)】の文字について、ちょっと面白いものを見つけました
「宇治」の地名は古くは「宇遅」「莵道」「兎道」などとも表記されたが、平安時代に「宇治」に定着したとされている
ーWikipedia引用
菟道稚郎子の宮が営まれたことが地名の由来としている
しかしながら『日本書紀』垂仁天皇紀・仲哀天皇紀・神功皇后紀にはすでに「菟道河(宇治川)」の記載があることからこれは誤りと見られ
むしろ菟道稚郎子の側が地名を冠したものと見られているーWikipedia引用
てっきり菟道稚郎子が宇治に住んでいたから
地名を菟道と呼んでいたとばかり思っていたのでビックリですf(^_^;
ちなみに
【菟道】←この文字は今でも使用している町名があり【とどう】と読んでいます
宇治上神社の所要時間

宇治上神社を見てまわるのに要する時間は
およそ5分!
境内を一回りするのに5分と掛かりません。
神社や建築物が好きな人ならもっと掛かるかもしれませんが、それでもコンパクトな神社なので、それほど時間は掛からないです。
見てまわる所要時間が短いとはいえ、内容はかなり濃厚なので、きっと満足できる観光になるはずです!
終わりに
宇治上神社はその規模から慎ましく、それでいてどこか懐かしく感じさせるそんな素敵な場所です。
それでいて古き日本が凝縮されているのもポイント。
世界遺産である宇治上神社は拝観無料ですので、平等院と合わせて押さえておきたいスポットですね。
宇治上神社の御祭神とご利益
| 御祭神 | 菟道稚郎子命(うじのわきいらつこのみこと) 応神天皇第15代天皇。菟道稚郎子命の父。 仁徳天皇第16代天皇。菟道稚郎子命の異母兄。 |
| ご利益 | 厄除除災 学徳成就 商売繁盛 家内安全 開運招福 |
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