「今度の休み、どこに行きたい?」と5歳の息子に聞いたら、返ってきたのはまさかの「山!」という元気な叫び声。
子連れで本格的な登山はちょっとハードルが高いけれど、せっかくなら自然を楽しめて、大人も大満足できる特別な場所に行きたい……。
そこで悩んだ結果、今回挑戦することにしたのが京都の【伏見稲荷大社(稲荷山)】です!
標高233mとお散歩がてら登るにはちょうどいい高さで、お稲荷さんの総本山としての歴史に触れながら、あの幻想的な「千本鳥居」も体験させてあげられます。
今回は、5歳の男の子と一緒に山頂(一ノ峰)まで「お山巡り」をしてわかったリアルな所要時間や見どころ、そして下山途中の裏参道で見つけた、子どもが大喜びする秘密のスポットまでたっぷりとご紹介します!
【子連れ向け】伏見稲荷大社のお山巡り基本ガイド(アクセス・所要時間)
子連れで稲荷山に登る前に知っておきたい、具体的なアクセス方法や所要時間の目安をまとめました。
伏見稲荷大社への行き方(アクセス)
- 電車(JR):JR奈良線「稲荷駅」下車すぐ(京都駅から約5分なので一番おすすめ!)。
- 電車(京阪):京阪本線「伏見稲荷駅」下車、東へ徒歩約5分。
5歳児と山頂まで往復したリアルな所要時間
山頂の一ノ峰(いちのみね)を目指し、ぐるりと巡って下山するまでに要した時間は以下の通りです。
| 子連れ(5歳児)の所要時間 | およそ2時間半(休憩・参拝を含む) |
| 大人だけの場合の目安 | およそ2時間(サクサク歩けば1時間半〜2時間程度) |
| 総歩行距離 | およそ4km |
⚠️子連れファミリーへの注意点:ベビーカーはNG!
千本鳥居を抜けた先からは、本格的な階段や山道が延々と続きます。スロープはないため、ベビーカーでの山頂制覇は不可能です。小さなお子様連れの場合は抱っこ紐を用意するか、歩ける年齢になってからの挑戦をおすすめします。
| 項目 | 伏見稲荷大社の詳細 |
|---|---|
| 住所 | 〒612-0882 京都府京都市伏見区深草藪之内町68 |
| 電話番号 | 075-641-7331 |
| 参拝料 | 無料(境内自由) |
| 駐車場の有無 | あり(参拝者専用の無料駐車場:約175台) ※年末年始や祭礼期間は閉鎖・大変混雑するため、公共交通機関の利用を推奨します。 |
| 営業時間 | 24時間参拝可能 (お守り・授与所の受付時間は 8:00~18:00 頃、ご祈祷の受付は 8:30~16:30(受付は16:00まで)) |
| 休日 | 年中無休 |
| ホームページ | 伏見稲荷大社 公式サイト |
いざ出発!表参道から圧巻の「千本鳥居」を抜けて神秘の奥社へ

全国に3万社あるといわれるお稲荷さんの総本宮、伏見稲荷大社。
稲荷山のふもとに本殿があり、実はこの稲荷山全体(お山)が神聖な神域になっています。
稲荷山は決して高い山ではありませんが、三つの峰が西から東へと段々に高く連なっています。
これらを山のふもとから仰ぎ見ると、まさに神様が降臨するのにふさわしい神秘的な山のかたちをしているといわれているんですよ。
お山巡りのルールは簡単。本殿でしっかりとお参りを済ませてから、鳥居に沿って上を目指します。

大鳥居の前では、躍動感あふれるお狐さんが出迎えてくれます。
「前からこんなに格好いいお狐さんあったかな?」なんて思いながら、一歩中へ。

境内入口にある大きな案内図。これを見ながら「さあ、あの一番てっぺんまで行くぞー!」と息子と気合いを入れます。

白く伸びた参道の突き当たりに鎮座する、鮮やかで巨大な楼門。

楼門の前に佇むお狐さんは、それぞれ「鍵」や「宝珠」をしっかりと口に咥えておられます。

進んでいくと、いよいよお待ちかねの「千本鳥居」に到着です!
この日は3連休ということもあり、千本鳥居の周辺はものすごい人混み!海外からの観光客の方もたくさんいて、皆さん夢中でカメラを向けていました。
息子は、狭い間隔で朱色の鳥居が無数に連なるこの圧倒的な景色を見て「おおお!凄いなー!」と一気にテンションMAXに!
もともと鳥居の語源は「通る」に由来しているといわれ、ここをくぐることで心身に清新の気を呼び起こすことができるそうです。
また、鮮やかな「朱色」には生命や大地、生産の力を表し、魔除けの意味も宿っているのだとか。鳥居の隙間から細く降り注ぐ木漏れ日が、厳かな空間をどこか優しく包み込んでいました。

千本鳥居を抜けた先にあるのが、奥社奉拝所(奥の院)。ここへ来ると、一気に異世界に足を踏み入れたような不思議な感覚に包まれます。
ここには有名な「おもかる石」があります。灯篭の前で願い事をしてから上の丸い石を持ち上げ、自分が予想していたよりも「軽い」と感じれば願いが叶い、「重い」と感じれば叶わないといわれている不思議な石です。
この日は大行列だったため今回は断念し、先を急ぐことにしました。
【難所へ突入】熊鷹社を越え、絶景の「四ツ辻」で運命の分かれ道

奥の院を過ぎても、朱色の鳥居はどこまでも、どこまでも続いていきます。

階段をぐんぐん上っていくと、一際神秘的な雰囲気が漂う「熊鷹社(くまたかしゃ)」に到着しました。

社殿の横には、深い緑色の水をたたえた「新池(しんいけ)」が広がっています。別名「谺ケ池(こだまがいけ)」とも呼ばれ、行方不明になった人を探す際、池に向かって手を叩き、返ってきたエコー(こだま)の方向を探すと見つかるという言い伝えがあるそうです。

このあたりから山中には、数え切れないほどの「お塚(神様のお名前を刻んで奉納された石碑)」が集まっています。その中に佇む、苔むしたお狐さんがとても素敵でした。

お狐さんの前掛けと鳥居の赤だけにスポットライトのように光が差し込み、なんとも厳かな空気。

熊鷹社の社殿です。高貴なお狐さまたちが宝珠を静かに守っているかのような、独特の強いスピリチュアルな気配を感じます。

参道の途中には、休憩できるお茶屋さんが数軒並んでいます。こちらは「三玉亭」さん。子連れでお山巡りをする時は、こうしたお店でソフトクリームやラムネを挟みつつ、ゆっくり登るのも良い作戦ですね。
私たちは今回は休憩を挟まず、そのままグイグイ上へと登ります!汗ばむ陽気でしたが、山の中は木陰が多く、時折ひんやりとした心地いい風が通り抜けていきました。

そして、ついに中間地点の「四ツ辻(よつつじ)」に到着!
ここはパッと視界が開け、京都の街並みを一望できる絶景のご褒美スポットです。
さすがに少し疲れが見えてきた息子。ここ四ツ辻はベンチもある絶好の休憩ポイントなので、少し息を整えます。
実は、多くの一般観光客やカップルは、この四ツ辻の景色をゴールにして麓へ引き返していきます。
ちょっと心配になって、息子に「ここで山登り、やめとく?」と聞いてみたら……
「ううん、まだ登る!」と頼もしいお返事!男気あふれる5歳児、まだまだ元気いっぱいです。
【ついに登頂】人が消えた静寂の参道を越え、稲荷山山頂「一ノ峰」へ!

四ツ辻を過ぎて上へ向かうと、驚くほど急に人が減り出します。さっきまでの大混雑が嘘のように静まり返り、鳥居と階段だけが静かに続いていく空間に。
自分のペースでゆっくりゆっくりと階段を上っていく年配の方々の姿が、とても印象的でした。

そして、一歩一歩階段を踏みしめながら、ついに最高峰の「一ノ峰(いちのみね)」へ到着しました!ここが標高233m、稲荷山の山頂になります。
山頂自体は周囲が木々やお塚に囲まれていて、パノラマの絶景が広がっているわけではないため、「ついに登り詰めたぞ!」という分かりやすい達成感は少し薄いかもしれません(笑)。
しかし、山頂に鎮座する末広大神(上社神蹟)の周辺は、たくさんの古いお塚がひしめき合い、思わずカメラを向けるのを躊躇してしまうほど、神聖でピリッとしたエネルギーに満ちあふれていました。
【下山ルートの誘惑】裏参道は「狛カエル」に「狛イノシシ」!? 謎の狛動物パラダイスだった
山頂でお参りを済ませた後は、登ってきた道とは違う「裏参道(下山ルート)」を通って麓へと降りていきます。
山の中には、行くときには気づかなかった一際大きいミンミンゼミの声が響き渡り、その中につくつくぼうしの鳴き声も混じり始めていました。夏の終わりを感じるノスタルジックな下山道の始まりです。

下り道の途中、面白いお社をたくさん発見しました。こちらは口から勢いよく水を出しているお狐さんが目印の「眼力社(がんりきしゃ)」。
「眼の病気が良くなる」だけでなく、「先見の明・確かな眼力が授かる」という、ビジネスマンにも大人気の御利益があるそうです。
そして、この下山ルート(裏参道)を進むと、お稲荷さんの象徴である「お狐さん」とは全く違う、風変わりな「狛〇〇」たちが次々と姿を現します!
まずは、先ほど山頂で見かけた末広大神のすぐ近くにあるお社での出会い

伏見稲荷の鮮やかな朱色とはまた少し風合いの違う、深い赤色の鳥居をくぐると……

「んん?!なんだこの独特なシルエットの狛犬は……?犬?獅子?それとも、ポケモンのフシギダネ!?」
高鳴る胸を抑えて限界まで近づいてみたところ、なんと正体は「カエル」でした!

神社に「狛蛙(こまがえる)」なんてこれまで見たことも聞いたこともなかったので、これには息子も私もびっくり!
しかもよーく見てみると、カエルの背中の上には小さなチビカエルがちょこんと乗っかっています。

反対側のカエルの背中にも、やっぱりミニカエルが。
通常の狛犬のように「阿吽(あ・うん)」の形にはなっておらず、両方ともお口をきゅっと閉じているスタイルです。
このどっしり、ぼてっとした愛らしいボディラインを見ていると、やっぱりフシギダネを思い出さずにはいられません(笑)。

お賽銭箱の横にも、ちょこんとカエルさんの姿が。
「福かえる(福が帰る)」「無事かえる」「お金が返る」という、とても縁起の良い御利益にあやかれるそうです。

なんと手水舎の水の注ぎ口まで、リアルなカエルさんになっていました!

その奥には、珍しい「竹で作られた鳥居」も。華やかな千本鳥居とは対照的な、簡素ながらも涼やかで背筋が伸びるような美しさがあります。
カエルさんたちにバイバイしてさらに麓へ降りていくと、今度は別の神様(稲荷大明神)の前に「狛猪(こまいのしし)」を発見

この裏参道周辺は、本当に珍しい狛動物のオンパレードで驚かされます。猪のほかにも、狛牛、狛龍、狛午(ウマ)などが次々と現れます。

その裏手には、目元が妙にリアルで可愛らしい「狛兎(こまうさぎ)」。

さらに、とぐろを巻いたリアルな「狛蛇(こまへび)」まで!
ちょっとしたカオス感(混沌とした雰囲気)もありますが、「あっちにウサギさんがいるよ!」「こっちはヘビさん!」と、自分の十二支や好きな動物を探しながら歩けるので、階段続きで飽きがちな子連れの下山道には最高のエンタメスポットになります。
かつての神道と仏教が混ざり合った「神仏習合」のディープな名残を色濃く残す、裏参道ならではの隠れた魅力ですね。
終わりに
めくるめく不思議な景色に感動しているうちに、無事に本殿のふもとまで戻ってくることができました!
新池のあたりで見かけた鮮やかな「ほおずき」が、伏見稲荷の鳥居と同じ色に色づいていてとっても綺麗でした(可愛い見た目なのに、花言葉は『偽り』なのがちょっと衝撃でしたが……!笑)。

トータルの所要時間は、休憩やお参りも含めてやっぱりきっちり2時間半。
5歳の息子にとっても、長すぎず短すぎず、体を目一杯動かせるちょうどいい大冒険の山巡りとなりました。
伏見稲荷大社といえば誰もが「千本鳥居」の華やかな表舞台ばかりをイメージしますが、一歩山頂を越えて「裏参道」へと入ると、そこには多種多様な動物たちが神様を守る、全く異なる奥深いディープな世界が広がっていました。

帰り道の伏見稲荷駅も、お稲荷さん仕様でとっても素敵です。
皆様も子連れで伏見稲荷を訪れる際は、ぜひしっかり歩きやすい靴を履いて、裏参道の隠れた動物たちを探すお山巡りにチャレンジしてみてくださいね!
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