京都府舞鶴市の観光といえば、やはり「舞鶴赤れんがパーク」が有名。
でも、せっかくあそこまで行ったのに、レンガの倉庫群だけを見て満足して帰ってしまうのは……正直めちゃくちゃ勿体ない!
実は、赤れんがパークや舞鶴市役所から目と鼻の先に、まるで昔へとタイムスリップしたかのような、美しい赤レンガ造りのトンネルがあることをご存知でしょうか?
その場所の名前は、【北吸(きたすい)トンネル】。
今回は、一歩足を踏み入れた瞬間にノスタルジックな空気に包まれる、この隠れた名所の歴史や見どころ、そして赤れんがパークからの詳しい行き方をご紹介します!
【観光ガイド】北吸トンネルの行き方・アクセス・所要時間

北吸トンネルへ足を運ぶ際に役立つ、具体的なアクセス方法と滞在時間の目安をまとめました。
北吸トンネルへの行き方(アクセス)
舞鶴赤れんがパークからの行き方(徒歩がおすすめ!)
「舞鶴赤れんがパーク」の観光とセットで立ち寄るのが一番スマートで便利です。
- 赤れんがパーク(または舞鶴市役所)から、南側を走る国道27号線を歩きます。
- 舞鶴市役所前の信号を南東方面へ歩く。北吸の信号もさらに南へ。舞鶴北吸郵便局の手前遊歩道(旧中舞鶴線跡)へ入ると、北吸トンネルの入り口に到着します。市役所から徒歩約10分〜15分(約550m)。
電車・車でのアクセス
- 電車:JR舞鶴線・小浜線「東舞鶴駅」から徒歩でおよそ15分〜20分。
- 車:京都縦貫自動車道・舞鶴若狭自動車道「舞鶴東IC」から約15分。※北吸トンネル専用の駐車場はないため、車でお越しの際は「舞鶴赤れんがパーク」の有料駐車場を利用し、そこから歩いて向かうのが定番ルートです。
観光に必要な所要時間の目安
- 所要時間:約15分〜20分
- トンネル自体の全長は約110mとコンパクトなため、通り抜けて往復するだけであれば10分〜15分ほどで気軽に観光できます。レトロな電灯やレンガ壁の写真をじっくり撮影したい場合でも、20分ほどあれば大満足の散策が楽しめます。
始まりは日露戦争。軍港・舞鶴を支えた「軍用引き込み線」の歴史
北吸トンネルの歴史を紐解くと、今から120年以上も昔の明治37年(1904年)までさかのぼります。
当時、対ロシアとの緊迫した情勢(日露戦争)に備えるための重要拠点として、舞鶴の海に「舞鶴鎮守府」が置かれました。
これに伴い、旧国鉄舞鶴線の海岸線(のちの中舞鶴線)として、現在の東舞鶴駅から中舞鶴駅(舞鶴鎮守府)へと至る、およそ3.4kmの軍用支線(引き込み線)が敷設されることになります。
その過酷な建設ルートの途中、どうしても行く手を阻む「山」があったため、レンガを積み上げてくり抜かれたのが、この北吸トンネル。

時が流れ、役割を終えた中舞鶴線は昭和47年(1972年)に廃線となりました。
現在、その跡地は写真のように美しいタイルが敷き詰められ、市民に愛される穏やかな遊歩道(サイクリングロード)へと生まれ変わっています。

歩いてみると、ゆるやかなカーブの描き方や周囲の石垣に、いかにも「鉄道の線路跡」らしいエモーショナルな名残が感じられてワクワクします。

路上に設置されていた近隣の周辺案内図です。
東舞鶴駅から少し下を走る太めの白線のあたりから引き込み線がすーっと伸び、蒸気機関車は「現在地(赤字)」の場所を通って、あの赤レンガ倉庫群のすぐそばへと滑り込んでいった情景が浮かんできますね。
レンガの赤と竹林の緑!異世界へと続くノスタルジックな小道

緑に囲まれた、北吸トンネルへと真っ直ぐ続くアプローチ。
こんなに静かで綺麗な場所に、かつて黒い煙をモクモクと上げた重厚な機関車がガタゴトと走っていたなんて、今ではちょっと想像がつきませんよね。

少し進むと、トンネルの入り口が見えてきました。
年月を経て味わいを増したレンガの「赤」と、周囲を包み込む竹林の鮮やかな「緑」のコントラストが息をのむほど美しく、写真映えも抜群です!

渋く寂れたヴィンテージ感のあるレンガ壁に、「北吸トンネル」と厳かに刻まれたプレートが格好よく馴染んでいます。
歴史的価値も最高。国が認めた「登録有形文化財」の風格


壁面には、お馴染みの青い「登録有形文化財」のプレートがしっかりと掲げられていました。
明治の貴重な近代化遺産として、国からもその価値を認められている貴重な建造物です。
一歩入れば別世界!ひんやり、ほの暗いレンガの空間へ

外の景色を楽しんだところで、いよいよ内部へ。
一歩トンネルの中に足を踏み入れた途端、外の暑さが嘘のように、空気がスッと「ひんやり」とするのが分かります。

この、ちょっぴりほの暗くミステリアスな雰囲気がたまりません!
どこまでも美しいレンガのアーチが吸い込まれるように続いていて、歩いているだけで非日常感を味わえます。

天井を見上げると、レトロ感たっぷりのオシャレな電灯が優しく道を照らしてくれていました。
夜にくれば、さらにロマンチックな表情を見せてくれそうです。
終わりに
全長約110メートルほどの、静かに佇む北吸トンネル。
かつては、多くの兵隊さんや、戦争のための重々しい武器・資材を運ぶ機関車が走っていた線路が、今では近所の子どもたちや学生さん、自転車が行き交う、笑顔あふれる憩いの道へと姿を変えました。
殺伐とした激動の戦争時代から、現在の穏やかで平和な時代まで、舞鶴の街をじっと見守り続けてきた北吸トンネル。
一歩中に入ってその美しい赤レンガに囲まれていると、まるでトンネル自体が、私たちに過去の歴史を優しく語りかけてくれているような、少し儚くも温かい気持ちにさせてくれる、そんな不思議なスポットではないでしょうか。
舞鶴赤れんがパークを訪れた際は、ぜひ少しだけ足を伸ばして、このノスタルジー溢れる美しい廃線跡の空気を肌で体感してみてくださいね!
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